地域活性化のために農林水産省が推進しているのが、6次産業化です。
6次産業化とは、1次産業である農業や水産業と2次産業である加工業、3次産業である流通業が業務展開することです。
1次産業と2次産業、3次産業を足すと6になることから6次産業と呼ばれます。
生産から加工、販売までを一つの地域で行うので、人材が必要となり地方での雇用促進につながります。
働く人が増えれば、そこで生活をするのでお金を使い経済も発展します。
販売も地方で行われることで、お金が都会に流れるのを防ぎます。
しかし6次産業化は成功させるのにたくさんの課題を抱えています。
まず宣伝にかかる費用の問題です。
宣伝しなければ他の地域から人が訪れることはありません。
しかし宣伝すれば必ず人々が興味を持って地域に集まってくれるというわけでもありません。
人口が少なく税収が多くない地域では、お金をかけて大々的な宣伝を行うことが難しいです。
宣伝に使うお金を確保しても、人が集まらなかった時の損失は大きいです。
地域活性化のために必要なこと
商品を売り込むターゲットを明確に設定するなど、マーケティング知識が必要です。
出身の芸能人が名産物を宣伝して全国的に人気となったケースもあるので、地域の顔となる人を上手く活用すると効果的とされます。
また衛生面が問題になることもあります。
農産物や水産物など、市場に食品として流通するものは安全でなければなりません。
食品偽装問題など、近年の人々はより安全性の高い食品を求めるようになっています。
6次産業では、農家や漁師が安全に加工する方法をマスターすることになります。
商品として出せるようになるまでに、覚えなければならないことがたくさんあります。
地域で頑張っている農家や漁師は年齢層が高い傾向にあるので、知識を取り入れるだけでも大変です。
後継者となる若者たちが中心となって、商品化を進めていきます。
さらに在庫を抱えるリスクも覚悟することが大切です。
大手メーカーであっても、一つの商品を長く売り続けることに苦労しています。
小さな農家であっても、商品を保管しておく倉庫を用意し在庫に応じて製造数を調整します。
食品は賞味期限によって市場に出せる期間が限られているので、誤って多く製造すればロスとなります。
いつまでも倉庫に保管することはできず、売れなかったら赤字になるので需要と供給のバランスを見極めます。
クチコミで全国的に広まっても、一時的なブームに終われば在庫だらけになります。
※写真は地域活性化と福祉への想いが強い村上悦栄氏
出典:http://www.vircs.org/others/村上悦栄.html