「酒さ」とは?症状・原因・治療法などを解説!

医療

「酒さってどんな症状なの?」
「酒さの原因や治療法が知りたい」
「長年赤ら顔で悩んでいるので病院を探している」

一口に皮膚疾患と言っても様々な種類がありますが、「酒さ」も皮膚疾患の一種です。
これは、鼻や両頬を中心に顔全体が赤くなる病気で、特に中高年に多く見られます。
一般的には赤ら顔とも呼ばれますが、放置すると症状が悪化することもあるので注意が必要です。
酒さを発症すると、一時的な顔のほてりや赤みが繰り返し現れるようになりますが、次第に顔が赤い状態が持続するようになります。
顔の赤みが慢性化するとニキビに似た発疹が現れたり、鼻瘤と呼ばれるだんご鼻になったりするケースも少なくありません。

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酒さの症状別による4つのタイプ

また、この皮膚疾患は症状の程度により、「紅斑毛細血管拡張型」「丘疹膿疱型」「瘤腫型」「眼型」の4つのタイプに分類されます。

紅斑毛細血管拡張型

紅斑毛細血管拡張型は、主に一時的な赤みと紅斑が現れるタイプで、拡張した毛細血管が皮膚越しに見えることもあります。
顔の赤みや紅斑だけでなく、かゆみ・ほてり・刺激感・肌荒れ・鱗粉などの症状も見られるのが特徴です。
これらの症状は、寒暖・日光・刺激物・運動などがきっかけで増悪することもあります。

丘疹膿疱型

丘疹膿疱型は、持続的な顔の赤みに加えて、丘疹や膿疱を伴うタイプです。
丘疹や膿疱は口・鼻・目の周囲にできることがあり、灼熱感や刺激感を感じるケースもあります。
丘疹膿疱型で生じる丘疹や膿疱はニキビと似ているものの、コメドがないことに加えて、炎症部分が丘疹や膿疱に限定されないといった特徴があります。
ただし、丘疹膿疱型による丘疹や膿疱はニキビは同時に発生することもあるので、見分けるのが難しいケースも少なくありません。

瘤腫型

瘤腫型は、皮膚が厚くなったり、不整な小結節が生じたりするタイプです。
瘤腫型を発症した場合、鼻瘤が生じるとともに、腫瘤が生じた部位に丘疹や拡張した毛細血管が見られます。
紅斑は、鼻を中心に発生しますが、顎・額・頬・耳などの他の部位に起こるケースもあります。

眼型

眼型は、顔の赤みに加えて眼に何らかの症状が現れるタイプです。
具体的な症状としては、かゆみ・涙目・充血・異物感・刺激感・乾燥感・眩しさ・かすみ目などが挙げられます。
また、眼型ではマイボーム腺機能不全や麦粒腫(ものもらい)などのブドウ球菌による感染症がよく見られますが、角膜炎・角膜浸潤・角膜潰瘍などの角膜の合併症により視力の低下につながることもあるので注意が必要です。
以上が酒さの4つのタイプとなりますが、複数のタイプが複合的に現れることもあります。
そのため、明確にタイプを区別できないケースも少なくありません。

酒さの原因

また、この皮膚疾患の原因ははっきりとは分かっていないものの、顔の赤みは毛細血管が拡張して通常よりも多くの血液が流れることで引き起こされます。
毛細血管が拡張する要因として挙げられるのは、

  • 辛い食べ物などの刺激物の摂取
  • アルコールやカフェインの摂取
  • 寒暖差
  • 紫外線
  • 感情の高ぶり
  • 運動
  • ホルモン異常
  • 喫煙

などです。
加えて、薬剤の副作用や過度なストレスなども発症に関係していると考えられています。
さらに、顔の赤みを隠すためにファンデーションを塗り過ぎてしまい、クレンジングの刺激によって症状が悪化することもあるので注意が必要です。

ステロイドの使用には注意が必要

なお、ステロイドを長期間にわたって使用すると、酒さ様皮膚炎と呼ばれる疾患を発症することがあります。
これは、ステロイドの長期使用によって顔にほてりや赤みが生じる疾患で、ステロイドの使用を中止すると症状が改善するケースが大半です。
酒さと非常に似た疾患で同じ疾患群に分類されますが、治療法は異なります。

酒さの治療

酒さの治療において基本となるのは、誘因を回避することです。
この皮膚疾患には根本的な治療法がないため、基本的には症状をコントロールしていくことが治療の目的となりますが、何が原因で症状が悪化するのかは患者によって異なります。
そのため、まずは症状が悪化する要因を特定し、それを可能な限り回避することが重要です。
例えば、日光によって症状が悪化する場合は日焼け止めクリームを使用する、アルコールの摂取が症状悪化の要因の場合は禁酒に取り組むといった対策が必要です。

顔の赤みに加えて丘疹や膿疱が生じている場合

顔の赤みに加えて丘疹や膿疱が生じている場合は、メトロニダゾールやアゼライン酸などの薬剤を使用して治療を行いますが、これらの薬剤は日本では保険制度の対象外となっているため、治療費は自己負担となります。

膿疱が多数発生している場合や眼型を発症している場合

膿疱が多数発生している場合や眼型を発症しているケースでは、ドキシサイクリンやテトラサイクリンなどの内服用の抗菌薬が使われるのが一般的です。
持続的な赤みや紅斑は、ブリモニジンゲルやオキシメタゾリンのクリーム剤で症状が抑えられるケースもあります。

まとめ

また、毛細血管の拡張により赤みが強い場合は、レーザー治療や電気焼灼術によって治療を行います。
レーザー治療や電気焼灼術を受けると、赤ら顔の原因となっている毛細血管を除去できるため、症状が改善する可能性が高いです。
一方で、これらの治療法は赤み・むくみ・腫れ・内出血・色素沈着などが起こることもあるので、これらのリスクを十分に理解した上で受けることが大切です。

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