「神社について色々勉強したい」
「参拝のルールが全然分からない」
「神社本庁の所在地は?」
神社は日本固有の宗教である神道を祭る宗教施設を指します。
神道では八百万の神様の考え方から多神教なので、様々な神々が各地で祀られています。
全国で10万社以上があり、日本人の心と文化、生活に深く根差した存在です。
【豆知識】神社本庁ってどんな役割?氏神さまの確認はどこでする?
→神社本庁とは
鳥居の前で対になる狛犬が迎えてくれる
バリエーションが豊かなので例外はありますが、基本的には参拝するとまず、鳥居の前で対になる狛犬が迎えてくれます。
狛犬は獅子をモデルにした空想上の生き物で、日本に伝来した当初である飛鳥時代にはしっかり獅子のフォルムでした。
王様や神様などの大切な存在を護る者として獅子を崇める文化は古代のオリエント文明に起因し、エジプトのスフィンクスも狛犬と同じカテゴリーです。
力ある霊獣として魔除けの意味で造られるようになったこの像は、次第に善くないものを睨むように聖域の外側を向いて配置されるようになります。
当初は高貴な身分の方を隠す御簾を押さえるカーテンストッパー的に使われていたので、時代によっては鳥居の内側に置かれていることもあります。
日本で「こまいぬ」と呼ぶ理由
日本で「こまいぬ」と呼ぶ理由は諸説ありますが、高麗犬が転じたとの説が有名です。
獅子なのに犬とはこれ何ぞやと思われますが、獅子と犬を混同したらしいと解釈されています。
姿は時代や地域を経るごとに段々と変化していきましたが、役割は変わらずに神社の守護をする存在で、参拝客を見つめる向きで配置されています。
阿吽のスタイルとなったのは仏教文化の流入と言われ、仏教では最初を表す阿と、最後を表す吽をもって、物事のすべて一切合切という意味を持ちます。
稲荷神社で出迎えてくれるのはお狐様で、総本山の伏見稲荷大社ではいろいろなアイテムを咥えた像が見られます。
宝玉や巻物や宝物庫の鍵など由来も色々とあるので、それらを見つけるのも参拝の楽しみ方の一つです。
鳥居は聖域と俗世界を隔てる境界線であり門
続いて聳える鳥居は聖域と俗世界を隔てる境界線であり門です。
日本は古くより鳥を神様の使いと見なすので、その御遣いがとまる場所として設置されたとの考えが普及していますが、起源は諸説あるのではっきりとはわかっていません。
鳥居に石を投げ上げて上に乗ると願いが叶うという俗信がある地域では、鳥居の上に小石がたくさん乗っていたりもします。
参道に続く場所にたくさん連なっている場合は、道しるべとしての機能を有しています。
江戸時代頃より鳥居を奉納する習慣が生まれ、頼みごとをする際やお願い事が叶った時などにお礼として建てるようになりました。
当初鳥居は白いものでしたが、赤に魔よけや生命力などの意味合いが持たれたことから次第に朱色に塗られるようになりました。
近年では防腐剤の意味合いも含んでいます。
聖域に入る前に、鳥居の前で一礼してから入るのがマナーと言われます。
この時もちろん帽子も取らなければなりません。
また神道では死は穢れであるため、聖域に穢れを持ち込まないように近親者が亡くなって一年は鳥居をくぐらないようにする、または参拝そのものを避けた方が良いという考え方もありますが、これも地域や社によって様々です。
参道の真ん中を歩くのは失礼に当たる
鳥居をくぐると参道が続きます。
参道では神様は道の真ん中を歩かれるので、参道の真ん中を歩くのは失礼にあたります。
一歩目の踏み出し方にも実はルールがあり、左側を進むなら左足から、右側なら右足からという作法があります。
足を向けるのは失礼なので、神様から足を可能な限り遠ざけておくという考え方ですが、左右どちら側に寄るかは厳密には決まっていません。
お伊勢さんではでは内宮は右側を、外宮では左側をとのルールがあります。
全国共通項ではないですし、神社によって違ったりするので、立て札などがあればそれに従うのが無難です。
手水舎で手と口を清め、鈴を鳴らし、お賽銭を入れる
本殿に至ったらいよいよ参拝です。
手水舎で手と口を清め、鈴を鳴らし、お賽銭を入れます。
お参りは二例に拍手一礼が基本作法ですが、神社によって作法が異なることもあるので掲示物を確認すると確実です。
御朱印やおみくじやお守りの購入などは、参拝が終わった後にします。
おみくじは神様からの言葉ですが、お守りと違ってそれ自体に力は宿っていません。
なので木や境内の結び台に結ぶ風習が生まれたのですが、持ち帰って時折見返すのも推奨されています。
木の枝に結ぶと折ってしまったり木を弱らせる要因になるので、結び台があればそちらに結ぶようにするべきです。
お守りのルール
お守りは一年で込められたご利益が切れ、以降は穢れを溜めてしまうとの考え方で返納やお焚き上げをしますが、思い入れがあったり大切な心のよりどころであるなら無理に燃やさずに大事に持っていても大丈夫です。
お守りの中を開いてはいけないと教わりますが、それはお守りに内府という神様の分霊を鎮めたものが入っているからで、失礼にあたってしまうためです。
神社は祀られている神様の数だけ存在するので、地域や背景によって考え方や作法が細分化されています。
しかしどの場合でも、神様に対する敬意をもって接するようになっています。
まとめ
無宗教と言われる日本人ですが、神様を大切にするという心は特別に言葉にせずともその根底に流れていて、それはとても素敵なことなのだと思います。